ソール・ライター　Saul Leiter（1923-2013）は、1923年　米国ペンシルバニア州に生まれました。父親がユダヤ教の聖職者でしたが、宗教的生活に情熱を見出せず、独学で絵を描くことに没頭していきました。

1950年代のニューヨークで売れっ子ファッション・カメラマンとして活躍しながら、80年代に「自らの作りたい作品だけを作る」として、姿を消していました。2006年、83歳にして出版された作品集『Early Color』をきっかけに、カラー写真の先駆者として再び脚光を浴びることとなりました。

ソール・ライターの写真の魅力は、カラーセンスと斬新な構図です。主役の被写体の手前に障害物が映り込んでいたり、極端なアングルから撮影したりすることで、鑑賞者は不思議な感覚になります。また晴天時よりも雨や雪などの天候で撮影されていることで、作品がより叙情的になっています。

2023年1月18日(水)〜3月5日(日)まで福岡市美術館で「ニューヨークが生んだ伝説の写真家　永遠のソール・ライター」が開催されていました。