WEB予約

WEB予約
はコチラ

MENU

卵巣の病気

Ovarian Disease

卵巣の病気

卵巣は女性ホルモンを分泌して妊娠できる状態を維持したり、女性のからだの様々な部分を保護したりしています。

子宮内膜症とチョコレート嚢胞

子宮内膜症とチョコレート嚢胞

8月号で説明したように、子宮内膜症は子宮以外の場所に子宮内膜が発生する病気です。これが卵巣に発症すると、古い血液が卵巣にたまってチョコレート色の内容液の嚢胞ができることから、チョコレート嚢胞と呼ばれています。最初は小さく、痛みも少ないのですが、徐々に進行して卵巣、卵管、腸などと癒着して、痛みなどの症状が重症化していきます。不妊の原因になることがあり、まれに卵巣がんに進行するケースもあります。月経痛をきっかけに、20〜30代で気づく人が多いです。

治療法は薬物療法と手術がありますが、現在はホルモン剤による薬物治療が中心となっています。嚢胞が大きく破裂するリスクがある場合や、悪性であることが疑われる場合は手術を行います。発症した卵巣の病巣を手術で取り除いても再発することがあります。再発を防止するために、手術後にもホルモン剤を使用することが多くなっています。

その他の卵巣嚢腫

ほかにも卵巣嚢腫にはさまざまな種類があり、代表的なものを紹介します。

皮様嚢腫は、皮膚から発生した成分(毛髪、歯、脂肪など)が卵巣内に貯留する病気です。20〜30代に多く、まれに10代の患者もいます。痛みなどの自覚症状はほとんどなく、基本的に良性腫瘍ですが、嚢腫が5〜6cm近くになると茎捻転(子宮とつながる部分がねじれてしまうこと)を起こすことがあります。激しい下腹痛が出現し、緊急手術が必要です。手術で捻転が改善できれば卵巣機能は回復しますが、完全にねじれると卵巣に血液が届かなくなり、壊死してしまいます。

このほか、サラサラした水分がたまっているものを漿液性腺腫、ネバネバした粘液がたまっているものを粘液性腺腫といいます。いずれも良性腫瘍で、自覚症状がほとんどなく、婦人科検診などで発見されることがあります。
卵巣嚢腫が見つかっても、必ずしも治療が必要とは限りません。良性で痛みなどの症状がない場合は、経過観察することがあります。ただし、定期的な検診は欠かさないようにしましょう。

卵巣がん

卵巣がん

卵巣の病気は、良性でも悪性でも初期にはほとんど自覚症状がありません。卵巣がんは「沈黙のがん」といわれ、ほとんど症状がないのですが、腹部膨満(お腹の張り)などの症状で気づくことが多くあります。数ヶ月前には異常がなくても、気づくと腹水がたまり、がんが進行していることもあります。発症は40代から増え始め、50〜60代がピークですが、20歳代の若い人でも発症することがあります。
卵巣がんは早期に発見して適切な治療を受けることが重要です。腹部の圧迫感がある、下腹部にしこりを感じるなどの症状があれば、早めに婦人科を受診しましょう。また定期的な婦人科健診を受けるのも有効です。

教えて!テレサ先生

30代女性

卵巣嚢腫がかなり大きくなり、片方の卵巣の摘出手術をすすめられています。摘出後のホルモンバランスに問題はないですか?
もし妊娠を希望している場合は、できるだけ卵巣の病巣だけを摘出する手術を検討しますが、症状などによっては卵巣を全摘する場合もあります。両方の卵巣を取ってしまうとホルモン分泌が低下しますが、片方でも卵巣が残っていれば、ホルモンが半分に減るわけではありません。ホルモンの影響はほとんどないので、自然妊娠も可能です。

20代女性

特に自覚症状はありませんが、卵巣の検査はしたほうがいいのでしょうか?子宮頸がん検診には2年に1度通っています。
卵巣嚢腫には自覚症状のないものが多く、よほど大きくならないと自分では気がつきません。2年に1回程度の子宮頸がん検診を受けている女性は多いと思うので、この際にエコーで子宮や卵巣を検査してもらうといいでしょう。卵巣嚢腫が見つかったときにはMRIなどで精密検査をすることがあります。自覚症状がなく良性と考えられる場合は、数ヶ月ごとにサイズの変化などを経過観察していきます。

50代女性

子宮内膜症から卵巣がんに進行するケースがあると聞きました。年齢が高いほどリスクがあると聞いたのですが?
チョコレート嚢胞の約3~4%で卵巣がんに進行するケースがあります。年齢が40歳以上で大きさが10cm以上、あるいはチョコレート嚢胞の急速な増大は、がん化が疑われます。子宮内膜症から発症する卵巣がんを予防するためには、子宮内膜症にならないようにすること、また子宮内膜症を早めに治療することが大切です。
pagetop