まず不妊の原因がないかどうかを調べます。不妊は女性側の問題と考えられがちですが、男女それぞれに原因がある可能性があります。女性の場合は、基礎体温の測定で月経周期や排卵時期を確認します。さらにホルモン異常がないか、超音波検査で子宮筋腫やポリープなどがないか、排卵時期に卵胞が成熟しているかを確認します。また卵管疎通性検査、子宮頸がん検査、クラミジア検査なども行います。男性の場合は、精子をつくる機能に問題がないか精液検査をします。
その後は次のようなステップで治療を進めていきます。
1.タイミング法
排卵日を予測して、夫婦生活をもつタイミングを合わせて妊娠の可能性を高める方法です。基礎体温、超音波検査での卵胞確認、排卵検査薬などで排卵日を予測します。比較的負担が少ない方法ですが、タイミング法で妊娠できるかどうかは個人差があります。排卵誘発剤や黄体ホルモン補充療法などの薬物療法と併用することがあります。
2.人工授精
排卵のタイミングに合わせて、運動性の良い調整された精子を子宮腔内に注入する方法です。人工授精を複数回くり返しても妊娠しない場合は、次の方法に移ります。
3.高度生殖医療(ART)
より高度な治療法である「体外受精」は、体内から取り出した卵子と精子を体外で受精させ、培養した受精卵を体内に戻す方法です。体外受精を行っても受精しない場合には、顕微鏡で受精の手助けをする「顕微授精」を行います。